納豆一筋

納豆の里

納豆 Q&A

納豆と発酵について

  • 納豆菌は、枯草菌(こそうきん)という稲わらや枯れ草に生息している菌の一種です。

  • 長さ2μm、幅1μmの円筒形をしています(長さは環境によって長くも短くもなります)[※μm(マイクロメートル)=1mmの1/1000]

    1パック(40g)の納豆には、約400億個の納豆菌がいます。納豆をよく見ると、表面が白い色をした膜で覆われています。納豆菌はこの中にいます。

  • 「発酵」とは食品と微生物の関わりにおいて、人にとって有益にはたらき、食べられるものに変化すること。

    「腐敗」とは食品と微生物の関わりにおいて、人にとって有害にはたらき、食べられないものに変化すること。

  • アミノ酸の一種でうまみ成分のひとつであるグルタミン酸と、フラクタンという糖質が ネバネバの正体です。このグルタミン酸が、5万個ほど一列につながってできた長い糸(ガンマポリグルタミン酸)と、ネバネバを安定させるはたらきがあるというフラクタンが絡み合って、あのネバネバになるのです (グルタミン酸は、大豆のたんぱく質を納豆菌が分解してできたアミノ酸です) 。

  • 納豆のにおいは様々な成分から構成されていますが、主なものとして、ピラジン化合物、ジアセチル、アンモニア、イソ絡酸、イソ吉草酸という成分がにおいの原因とされています。

    ピラジン化合物は、香ばしい香りのもとして知られていますが、ジアセチル、アンモニア、イソ絡酸、イソ吉草酸は、好ましくない異臭とされています。冷蔵保存された賞味期限内の納豆ではあまり感じることがありませんが、10℃以上で長時間保存されたり、賞味期限が過ぎた納豆ではこのようなにおいを強く感じることがあります。

  • 納豆には大きく分けて2つの種類があります。ネバネバした糸を引く「糸引き納豆」と、 乾燥させた糸を引かない「塩辛納豆」の2つです。

    「糸引き納豆」は、蒸した大豆に納豆菌を作用させて発酵させたもので、特有の粘りと風味があります。

    「塩辛納豆」は、塩辛く味噌のような風味があり、お茶漬けとして食べたり、調味料として使ったりすることが多いようです。

    「糸引き納豆」は、下記のように様々な種類があります。

    ●「丸大豆納豆」は大豆を蒸して納豆菌で発酵させた、スーパーなどで販売されている納豆です。

    ●「ひきわり納豆」は大豆を割り、皮を取り除いてから作ります。青森、秋田、岩手などでは江戸時代よりもっと前から作られていたようです。

    ●「五斗納豆」は山形県米沢地方に昔から伝わる郷土食で、挽き割り納豆にこうじや食塩をまぜて樽に仕込み、熟成させたものです。現在では、「雪割り納豆」の名で売られています。

    ●「そぼろ納豆」は茨城県の特産品。おぼろ納豆、しょぼろ納豆とも呼びます。納豆に刻んだ切り干し大根を混ぜ、醤油等の調味料で味をつけたもので、そのままお酒のつまみとして食べたり、ご飯にかけて食べたりもするようです。

    ●「干し納豆」は茨城県の特産品です。糸引き納豆を天日干しにして長期保存を可能にしたもので、納豆を乾燥させても、納豆菌は死滅しません。食べ方は、そのまま食べたり、お湯につけて戻したり、お茶漬けにしたりします。最近では、フリーズドライ製法を用いた「乾燥納豆」というものもあります。

    ●「塩納豆」は高知県の一部の地域の郷土料理です。納豆に塩と糠(ぬか)をまぶして鉄鍋で炒ります。伝統的な製法では、市販の納豆の代わりに蒸した大豆を籾殻の中に入れ、糸を引くようになったものを用います。

  • 北海道や東北地方では冬に納豆汁として食べたり、砂糖を混ぜるところもあるようです。もちに納豆を絡めた納豆もちも、東北地方でよく食べられていますが、京都の北部では納豆をもちにつき込み食べる習慣があるようです。

  • 日本以外の国にも、納豆のような食べ物があります。日本の周辺、アジアの国々には、納豆と同じような大豆を発酵させた食品がたくさんあります。


    インドネシアには「テンペ」、ネパールやブータンには「キネマ」、インドには「バーリュ」。

    インドネシアの「テンペ」は、白いカビで覆われており、糸は引かない納豆。日本の納豆が、ワラに包んでできるように、「テンペ」は煮豆をバナナの葉などに包んで作ります。

    日本の納豆と似ていて、粘りのある糸を引くのがネパールやブータンの「キネマ」です。日本でいう味噌のような調味料として使われています。

    インドの「バーリュ」は、においも味も日本の糸引き納豆にそっくりです。

    また中国雲南省には、「豆鼓(トウチ)」という食品があり、これは、色が黒く、塩気が効いていて、塩辛納豆に近いものです。主に調味料として使われています。

納豆の栄養について

    • 納豆1パック(40g)当たりに含まれる栄養素

      ※たれ・からし含まず

    • たんぱく質 6.6g

      筋肉・内臓・皮膚・血液等の主要な構成成分、酵素やホルモン等の材料にもなる

    • カリウム 260mg

      細胞内の浸透圧維持、筋肉や神経の働きを調整

    • マグネシウム 40mg

      人体に必要なミネラルの一種で、体内のさまざまな代謝を助ける機能を持つ

    • 鉄 1.3mg

      人体に必要なミネラルの一種で、ヘモグロビンに多く存在し不足すると貧血等を起こす

    • 亜鉛 0.8mg

      多くの酵素の構成成分として、また、血糖調節ホルモンであるインスリンの構成成分等として重要

    • 銅 0.24g

      酵素の構成成分、鉄の吸収・貯蔵の促進、成長促進、免疫機能など

    • ビタミンK 240μg

      血液凝固に必要な物質の生成に関与
      骨形成の促進など

    • ビタミンB2 0.22mg

      たんぱく質・脂質・炭水化物の代謝すべてに関わる
      脂質のエネルギー変換を助ける働きがとくに重要

    • ビタミンB6 0.10mg

      アミノ酸、脂質の代謝、神経伝達物質の生成等に関与する

    • 葉酸 48μg

      ビタミンB12とともに赤血球の形成を助ける
      胎児の正常な発育に重要な栄養成分

    • 食物繊維 2.7g

      消化管機能や腸の運動を促進する、栄養素の吸収を緩慢にする等さまざまな生理作用がある

    出典:文部科学省 食品成分データベース

  • 納豆1gあたり約2kcalです。商品それぞれのカロリーはパッケージに「エネルギー」を記載しております。

  • 商品それぞれによって違いますので、パッケージに記載しております。弊社においても1パック当たりの栄養成分(エネルギー、たんぱく質、炭水化物(糖質、食物繊維)、食塩相当量)を商品のパッケージに記載しております。

豆知識

  • 均一な納豆づくりや乾燥防止のためのシートをかぶせています。納豆業界では、「被膜(ひまく)」と呼ばれています。納豆菌を均一に発酵させるために重要な役割を果たしています。また、出来上がった納豆の乾燥を防止するためにも被膜は活躍しています。

  • 空気の通り道です。納豆菌が活動するためには酸素が必要です。空気の道を作ってあげ均一な発酵が進むように容器に凹凸をつけています。

  • どちらも食品の期限表示です。対象となる食品によって使い分けられているので、両方が同時に表示されることはありません。

    「賞味期限」は、品質が変わらずにおいしく食べられる期限で、比較的日持ちする食品につけられる期限です。品質と美味しさの目安なので、その日を過ぎたからといってすぐ食べられなくなるということではありませんが、出来るだけ早くお召し上がりになることをお勧めしています。一方、「消費期限」は、安全に食べられる期限のことで、日持ちしない食品に表示されます。

  • 「製造所固有記号」です。食品の表示に関する法律では、原則として、その食品を実際に製造した製造者の氏名と製造工場の所在地を記載することとなっています。「製造所固有記号」というあらかじめ消費者庁に届け出た記号で表示することも認められています。

納豆の大豆栽培について

  • 特別栽培農産物とは、農林水産省が定めた「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」に従って生産された、化学合成農薬および化学肥料の窒素成分を慣行レベルの5割以上削減して生産した農産物(大豆含む)のことです。

    平成16年に「特別栽培農産物のガイドライン」が施行されたことにより、これまでの「無農薬」、「無化学肥料」、「減農薬」、「減化学肥料」という表示は、お客様にとって間違ったイメージを持たせたり、不明確で曖昧な分かりにくい表示だったため表示禁止事項となり、名称が「特別栽培農産物」に統一されました。


    特別栽培大豆は、減農薬で栽培するため土壌への負荷が少なく持続性があり環境にやさしい農法です。雑草も手作業で抜き、農薬散布もできないため様々な知恵と工夫を凝らして生産しています。農家さんの惜しみない努力と愛情が詰まった大豆です。

    あづま食品では「特別栽培国産小粒3P」という商品名で発売をしており、国内の限られた農家で契約栽培をした大豆だけを使用しています。


    〉〉特別栽培農産物の詳しい情報はこちらから

  • 農薬や化学肥料に頼らないことを基本として、土壌本来の持つ力を活かした農法のため、自然の生態系を維持し持続可能な土壌維持につながる栽培方法です。有機(オーガニック)栽培は、食の安心・安全を求める方たちや地球環境に配慮した食品を求める世界の多くの方から注目されています。


    有機(オーガニック)栽培大豆は、農林水産省で定めた「有機JAS法」(2000年に施行)の基準に基づいて栽培された大豆です。

    有機JAS法は、『JAS法に基づき、「有機JAS」規格に適合した生産がおこなわれていることを第三者機関が検査し、認証された事業者に「有機JASマーク」の使用を認める制度』のことです。化学肥料及び農薬の使用を避けることを基本とし、2年間以上、堆肥などの有機肥料による土作りを行なった圃場(畑)において栽培されます。日本国内で、「有機○○」「オーガニック○○」と表示して販売するためには、生産者・製造者などが国が認めた第三者の認証機関の毎年の監査により、様々な基準をクリアし、有機JAS認証を継続的に取得する必要があります。認証された事業者だけが有機JASマークの商品を販売することができるようになります。なお、有機JASマークがない農産物と農産物加工食品に、「有機」、「オーガニック」などの表示や紛らわしい表示を付すことは法律で禁止されています。

    また、近年、有機JASは、世界の各国(EU、米国、オーストラリアなど)とも共有できる制度となっています。


    あづま食品が「有機そだち納豆シリーズ」として発売している納豆には「有機JASマーク」がついています。この納豆は、農薬や化学肥料を使用しないだけでなく、栽培、選別、輸送、保管、加工のすべてにおいて有機認証の定める規則に従い、残留農薬検査やGMO検査も記録し保存し、第三者機関の監査を受けた工場だけで生産されています。


    あづま食品は、1982年、業界では初めて米国ミネソタ州の有機栽培農場と提携し、有機納豆の取り組みを始めました。その後40年余にわたり、「有機=オーガニック納豆のパイオニア」として、改良を続けながら有機そだち納豆シリーズとして販売を続けています。


    〉〉「JONA」 について詳しくはこちらから

    〉〉「JAS」 について詳しくは農林水産省へ